7月24日(水)
怪我をした。 自分でビルから飛び降りた。 痛みで呻き声を上げた。 自分でも聞いたことの無い声だった。 通行人がそれを聞いて救急車を呼ぶか、と聞いてきた。 お願いします、と掠れた声で言う。
しばらくすると救急車が来た。 人にぶつからないようにとビルの隙間に飛んでいた。ビルの隙間に落ちた身体を回収するのは大変そうだった。
病院に着くと身体のあちこちを検査された。 下半身は痺れており、感覚のない場所もあったが、足首以下の関節以外はある程度動かせた。
肛門に指を入れて感覚があるか、締められるかを確かめられた。 何も感じず動かせないことを伝えると、排泄のコントロールが効かなくなる可能性を伝えられた。
脊髄損傷をしているのですぐに手術をする必要があると言われた。 ただし、運び込まれた病室では手術は出来ないらしく転院先を探すことになった。 転院先はなかなか見つからず、運び込まれて数時間ほど待つことになった。
待っている間に駆けつけてくれた同棲中の彼女は目に涙を浮かべていた。
転院後、再び身体のチェックと手術の説明を受け、20時頃に手術が行われた。 全身麻酔のため一瞬で終わり、その日は寝てしまった。 眠る直前、地元から駆けつけてくれた父の手を握った記憶が微かにあった。